株式会社三十三総研
各部お問い合わせ先

三重短期大学・三十三総研主催
第12回小論文・作品コンクール
持続可能な社会〜SDGsの視点から〜



三重短期大学と株式会社三十三総研は、産学連携事業の一環として三重短期大学生を対象とした第13回小論文・作品コンクールを実施しました。今年度は「持続可能な社会〜SDGsの視点から〜」をテーマに、小論文や、レシピ・デザイン等の作品を募集しました。
2019年7月から10月までの応募期間中に、39件の応募がありました。
選考委員会で応募作品を審査し、最優秀賞1件、学長賞1件、優秀賞3件、佳作4件を選考するとともに、11月14日に開催された三重短期大学大学祭において表彰いたしました。


  氏名 タイトル名 学科
最優秀賞 野村 真奈美 男女格差から考える社会での女性の活躍について 法経科 第2部 2年
学 長 賞  森下 琴心 日本における同性婚 法整備と子育ての観点から 法経科 第1部 法律コース 2年
優 秀 賞 伊藤 佳代 伊勢湾台風 〜情報の受容と活用〜 法経科 第1部 法律コース 2年
黒田 若奈 空き家問題について 法経科 第1部 経商コース 2年
服部 史奈 生まれる前からの差別 〜声にならない叫びに気づいて〜 法経科 第1部 法律コース 1年
佳 作 岡澤 楓 女性の社会進出と「2020 年 30%」を目標とする管理職登用について 法経科 第1部 法律コース 2年
手嶋 美優 持続可能な社会 〜地方銀行と地域活性化のつながり〜 法経科 第1部 経商コース 2年
加羽 麗奈 「多種多様」を受け入れる環境づくりについてセクシュアルマイノリティーの視点から考える 法経科 第2部 2年
中澤 菜穂 「体にやさしお!コクウマみそ汁」〜和食で健康に〜 生活科学科 食物栄養学専攻 2年


○入賞作品 要旨

  • 最優秀賞 野村 真奈美 「男女格差から考える社会での女性の活躍について」
  •  野村さんの作品は、多角的な視点をもってテーマについて考察したというところに特徴がありまたそこが最も高く評価できる点でありました。作品の「はじめに」では、「極度の貧困を終わらせる」という国連がかかげた開発目標の実現のために、貧困の原因を探り、その中でも雇用の問題に着目した上で、特に非正規雇用そして女性の貧困、男女格差の問題について検討をすることにしたという流れが書かれています。そして「女性活躍推進法」「女性の雇用状況」「職業の選択」「若者の意識の変化」といった項目について検討しています。

     「女性の活躍」を考える時に「女性が活躍するためにはこうしなければならない」という頭ごなしの考察の仕方ではなく様々な要素の検討が必要であることをよく認識した内容となっており、それは参考文献が新書、厚生労働省リーフレット、小説、雑誌、白書などバランスがとれたものである点にもあらわれていました。また文章の流れがスムーズであったことも評価したいと思います。

     「女性の活躍」とはいっても、本当に女性が望む働き方とは何なのか、それは単純に希望を聞くだけではわかりません。働く環境が整わないことが女性の職業への意識に影響を及ぼすこともあります。女性が活躍できる社会とはどのような社会なのか、ジェンダーの域を超え、野村さんが本文中で指摘しておられるように、現状をよく調査検討しながらこれからも研究を続けていただきたいと思います。この度は最優秀賞おめでとうございました。

  • 学長賞 森下 琴心 「日本における同性婚 法整備と子育ての観点から」
  •  論旨が明確で、構成がしっかりとした論文です。今回のコンクールでは、LGBTの問題を扱った論文が多くありました。その中で森下さんは、同性婚の法整備を通して、同性カップル当事者の関係のみを保護すべきと考えるのではなく、連れ子がある同性カップルを想定し、子どもの法的保護という観点からも同性婚の問題を考えるべきと主張しています。この点が、森下さん独自の視点であると思いました。

     検討の根拠として日本の現状分析が行われます。ある調査では、7割以上の人がLGBTへの差別をなくすために法整備を行うべきと答える中で、政府には法改正の動きが見られないことや、「同性婚を制度化したら、少子化に拍車がかかるのでは」と発言する議員のいる現状などが示されます。また、大阪市が男性カップルを養育里親に認定した事例を紹介し、里親制度では法的な親子関係になれないという、現行の法制度の限界も指摘しています。

     この中で変化の兆しもあり、その一つとして論者は、複数の自治体が導入している同性パートナーシップ制度を挙げています。自治体が発行するパートナーシップ証明書には、婚姻ほどの法的拘束力はないものの、 証明書を持つ同性カップルに対して、結婚に相当するパートナーの関係としての配慮を求めるものになるとのことです。

    森下さんは同性婚の法制化と、その子どもたちの法的保護には、まだまだ超えるべきハードルが多くあるものの、このパートナーシップ制度を全国規模で整備するなど、問題を一つ一つ解消する作業を丁寧に積み重ねていく中で、議論を活発に行い、将来的な法整備につなげていくべきと主張しています。

     論文の最後に「参考文献」として資料を紹介するケースが多い中、森下さんは「脚注」を使っており、論文を読みながら根拠資料が容易に確認できました。またインターネット検索の資料に、「検索日」が明記されており、論者の誠実さを感じました。

     さらに5つの資料が添付されており、「同性婚訴訟における双方の主張」、「特別養子縁組」、「普通養子縁組」などの内容が表形式で簡潔にまとめられ、法律になじみのない読者にもわかりやすく、本論の理解につながりました。より広くこの問題を共有し、議論の輪を広げたいという論者の思いが伝わるものと感じました。

     真摯に問題に取り組む姿勢と、法整備が整った誰もが住みやすい社会を考える論者の熱意が伝わってくる論文でした。

  • 優秀賞 伊藤 佳代 「伊勢湾台風 〜情報の受容と活用〜」
  •  昨今、未曾有の自然災害が多発しており、ここにいる皆様もその恐怖についてはお感じの事と思います。皆がのがれられない自然災害から身を守る方法を考えるために、60年前の伊勢湾台風をテーマに持ってきたところに伊藤さんの作品のおもしろさがあり、それによって現代の課題を浮き彫りにしたところが高く評価されます。

     60年前は今ほど情報網もなく、気象データの蓄積も大変な労力がかかるものでした。しかし、情報伝達手段や技術がどんなに発展しようとも、気象データが様々な予測を可能にしたとしても、人間がそれを活かさなければ防災にはつながりません。この作品では、伊勢湾台風の襲来時の状況や、当時と現在の情報伝達手段について非常にわかりやすく、コンパクトにまとめている上に、地域ごとの特徴を知る重要性、住民・自治体・企業が共に自分たち自身で情報を見極める力をつけていく重要性を説得的に伝えることができていました。今後も、この発想の柔軟性を活かして研究を続けていただきたいと思います。優秀賞おめでとうございました。

  • 秀賞 黒田 若菜 「空き家問題について」
  •  黒田さんが選ばれたテーマは、近時注目の集まっている非常に重要な問題で、法律の面からも経済の面からも、これから考えていかなければならない重要な問題です。

     そのような中、黒田さんが執筆された小論文では、空き家が増加している理由や空き家があることにより発生するデメリット(たとえば、倒壊のおそれ、治安の悪化など)についてコンパクトにかつ丁寧にまとめられていて、現在日本の抱えている問題を理解するのに優れたものとなっています。

     また、現在の行政の取り組みについて、行政の行えること、行政の指導に従わなかったことに対する制裁のことなども調べ上げられており、地域にとっても現在の所有者にとっても解消しなければならない問題であることが指摘されていました。

     さらに問題点を指摘するだけにとどまらず、いかにして空き家を活用していくべきか、多くの提案を行っており、主体的にこの問題について考えていることがよく伝わりました。

     最後に、黒田さんは空き家の活用は単に一人一人の問題ではなく、地域、社会、経済にも大きな影響を与えるものであることを指摘し、空き家問題はむしろこれを解消することで地域の発展につながるチャンスであると思わせてくれるような展望を語ってくれています。まさに空き家問題の解消は本コンクールのテーマである「持続可能な社会」の実現にとって重要な意義があることが黒田さんの小論文から理解できました。

  • 秀賞 服部 史奈 「生まれる前からの差別 〜声にならない叫びに気づいて〜」
  •  国連サミットで採択されたSDGsの中には「ジェンダー平等の実現」が掲げられ、特に女性のエンパワメントを図ることが述べられています。

     服部さんの作品では、社会的に作られる性役割であるジェンダーは生まれる前から形成されているのだ、という発想で本文を書き始め、世界の子どもを含む女性の置かれた状況についてデータを参照しながら論をすすめています。女性がおかれた差別的な現状を「生まれる前からの差別 声にならない叫びにきづいて」という印象的な論題にそって説得的に描きだしているところが高く評価されます。

     そして、これからの具体的解決策について他の作品と比べて多くの字数をさいているところからも、服部さんのこの問題に対する真剣さがうかがえます。

     自分の国のことだけではなく、他国の現状にも目をむけることの重要性をのべることで、結果自分の国の女性のおかれた状況についても考えるきっかけをあたえるような作品になっていると思います。これからも、視野を広くもち研究を続けていただきたいと思います。優秀賞おめでとうございました。

 

今回(2019年度)の入賞作品集(全文)はこちら
2019年度 第13回小論文・作品コンクール テーマ「持続可能な社会〜SDGsの視点から〜」(PDF)
 

過去の入賞作品集
2018年度 第12回小論文・作品コンクール テーマ「共生社会」(PDF)
2017年度 第11回小論文・作品コンクール テーマ「共生社会を目指して」(PDF)
2016年度 第10回小論文・作品コンクール テーマ「地方創生〜わたしが考える地域の活性化〜」(PDF)
2015年度 第9回小論文コンクール テーマ「地方創生〜わたしが考える地域の活性化〜」(PDF)
2014年度 第8回小論文コンクール テーマ「“いのち”と“くらし”の未来を考える」(PDF)
2013年度 第7回小論文コンクール テーマ「“いのち”と“くらし”の未来を考える」(PDF)
2012年度 第6回小論文コンクール テーマ「地方都市のまちづくりを考える」(PDF)
2011年度 第5回小論文コンクール テーマ「3・11後のライフスタイル」(PDF)
2010年度 第4回小論文コンクール テーマ「これからの働き方を考える」(PDF)
2009年度 第3回小論文コンクール テーマ「これからの働き方を考える」(PDF)
2008年度 第2回小論文コンクール テーマ「環境問題に対する私の意見・提言」(PDF)
2007年度 第1回小論文コンクール テーマ「環境問題に対する私の意見・提言」(PDF)

お問い合わせ先
株式会社三十三総研 調査部
〒510-0087 三重県四日市市西新地7-8
TEL:059-354-7102 FAX:059-351-7066
mail:33ir@miebank.co.jp


アドビ社
※ 三十三総研レポートをご覧いただくにはアドビアクロバットリーダーが必要です。アドビアクロバットリーダーをお持ちでない方は、上のアイコンをクリックしてアドビ社のサイトよりアクロバットリーダーを入手して下さい。


PAGETOP
このホームページに関するご意見、お問い合わせは、株式会社三十三総研までお願いします。
Copyright San ju San Institute of Research,Ltd. All rights reserved.